研究概要 |
【目的】鶏の深胸筋鍵不全断裂の修復過程におけるTGFβ-1mRNAの発現様式を研究し、in vivoでの鍵板治癒過程における発現様式について研究すること。 【対象と方法】ヒトと同様に非荷重間接である鶏の深胸筋腱を週で各5羽ずつ深胸筋腱を取り出した。 摘出標本よりRNA抽出後、RT-PCR法およびSouthern-hybridization法用い関節面と滑液包側面とで、腱板不全断列のモデルを作成した。切創作後1,2,3,4,6,8,24にてTGFβ-1mlNAを半定量化した。 【結果】TGFβ1mRNAもα1Iおよびα1IIIのmRNAと同様にr間接断列群より滑液包側断列群が有意に高値であった(p<0.05)。 【結果および考察】今回の発現で(1)成鶏の深胸筋腱不全断列では、滑液包側の方が間接側断列より高い治癒能力を持つこと。それはTGFβ1mRNAの発現に先導されることを見いだした。 procollagenα1I、α1IIImRNAについての要旨は第24回日本肩関節学会(1997年10月)にて発表した。TGFβ-1mRNAについては今年の日本整形外科学会基礎学術集会において発表予定である。 現在、同腱のα1Iとα1IIIのmRNAの局在を調べるためにin situ hybridization法を実験中であり、臨床における遺伝子レベルでの治療の礎木を築いていく予定である。今回の実験は、細胞増殖因子の投与時期や、腱への投与によるその他の細胞増殖因子とのネットワーク(周囲細胞に及ぼす影響含め)等、の今後の実験への礎になるものと思われる。
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