• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

腰椎椎間板ヘルニアの自然消失機序に関する基礎的・臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671523
研究種目

基盤研究(C)

研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

吉沢 英造  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60084555)

研究分担者 伊藤 正純  藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
小林 茂  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80234821)
中井 定明  藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (10247645)
キーワード腰椎 / ヘルニア / 自然縮小 / 神経根 / 腰痛 / 生骨神経痛
研究概要

本年度の研究では、まず基礎的研究で実験動物にイヌを使用し、尾椎より採取した椎間板組織を髄核と線維輪にわけ、それぞれを硬膜外腔の腰神経根上におき、1・3・6・12週間後の椎間板組織の変化を形態学的手法(組織像、透過型電子顕微鏡像)を用いて検討した。その結果、1週間後の硬膜外腔の神経根上に留置した椎間板組織には、周囲より新生血管の侵入とマクロファージなどの炎症性細胞の浸潤がみられた。そして、3週間後、髄核組織では明かな縮小が認められ、12週間後には瘢痕組織に置換された。また線維輪組織は、12週間後においても残存していたが、周囲より侵入した新生血管と炎症性細胞が多数線維輪内に認められた。このように椎間板組織を留置した硬膜外腔には、強い炎症性反応が見られたが、神経根内には神経線維の変性や脱髄はみられず、炎症性細胞の浸潤も認められなかった。
臨床的研究では、MRIと手術時採取したヘルニアの病理像を比較・検討した。その結果、ガドリニウムを用いた造影MRIではヘルニア周囲に造影効果を呈する領域が認められ、この領域の病理像では基礎的研究と同様、新生血管と多数の炎症細胞が認められた。すなわち、これらの研究結果から、椎間板ヘルニアの自然縮小にはヘルニア内に侵入する新生血管と炎症性細胞が深く関与していると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 山田秀一: "腰部椎間板ヘルニアの自然縮小機序に関する実験的研究-髄核の形態学的変化" 中部整炎誌. 40. 1261-1262 (1997)

  • [文献書誌] 志津直行: "椎間板組織が神経根に及ぼす影響" 脊椎脊髄ジャーナル. 10. 969-981 (1997)

  • [文献書誌] 小林 茂: "腰椎椎間板ヘルニアの自然経過:造影MRIによる保存的療法群と手術療法群の比較" カレントテラピー. 15. 33-41 (1997)

  • [文献書誌] S.Kobayashi: "Role of the microcircuration in spontaneous regression of lumbar disc beruiation" Microcirculation annual. 13. 181-182 (1997)

  • [文献書誌] S.kobayashi: "Pothogenesis of herve root compression ; Role of microcirculation in intraradicular" Microcirculation annual. 13. 141-142 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi