研究課題/領域番号 |
09671523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
吉沢 英造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60084555)
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研究分担者 |
伊藤 正純 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
小林 茂 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80234821)
中井 定明 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (10247645)
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キーワード | 腰椎 / ヘルニア / 自然縮小 / 神経根 / 腰痛 / 生骨神経痛 |
研究概要 |
本年度の研究では、まず基礎的研究で実験動物にイヌを使用し、尾椎より採取した椎間板組織を髄核と線維輪にわけ、それぞれを硬膜外腔の腰神経根上におき、1・3・6・12週間後の椎間板組織の変化を形態学的手法(組織像、透過型電子顕微鏡像)を用いて検討した。その結果、1週間後の硬膜外腔の神経根上に留置した椎間板組織には、周囲より新生血管の侵入とマクロファージなどの炎症性細胞の浸潤がみられた。そして、3週間後、髄核組織では明かな縮小が認められ、12週間後には瘢痕組織に置換された。また線維輪組織は、12週間後においても残存していたが、周囲より侵入した新生血管と炎症性細胞が多数線維輪内に認められた。このように椎間板組織を留置した硬膜外腔には、強い炎症性反応が見られたが、神経根内には神経線維の変性や脱髄はみられず、炎症性細胞の浸潤も認められなかった。 臨床的研究では、MRIと手術時採取したヘルニアの病理像を比較・検討した。その結果、ガドリニウムを用いた造影MRIではヘルニア周囲に造影効果を呈する領域が認められ、この領域の病理像では基礎的研究と同様、新生血管と多数の炎症細胞が認められた。すなわち、これらの研究結果から、椎間板ヘルニアの自然縮小にはヘルニア内に侵入する新生血管と炎症性細胞が深く関与していると考えられた。
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