研究課題/領域番号 |
09671528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
薗田 恭輔 久留米大学, 医学部, 助手 (00289464)
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研究分担者 |
西田 俊晴 久留米大学, 医学部, 助手 (60322591)
後藤 博史 久留米大学, 医学部, 助手 (40186896)
永田 見生 久留米大学, 医学部, 助手 (50140687)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 変形性頚椎症 / 頚椎症性脊髄症 / 退行変性 / 疫学 / 検診 |
研究概要 |
農業従事者に対して頚椎検診を行い、頚椎障害の発生について疫学的検討を行った。作業肢位が頚部の後屈動作を要する、ぶどう作物従事者177名(後屈+群)を対象として検診を行った。頚部の後屈動作を要さない、なす作物従事者191名(後屈-群)を対照とした。検診内容は、自覚症状・既往症状・農業従事状況の問診、整形外科学的理学所見の診察、頚椎の単純X線(側面機能撮影)を施行した。自覚症状で、頚肩腕痛は後屈+群92名(52.0%)、後屈-群43名(22.5%)に認められ統計学的に有意であった。頚椎の退行変性に関して、後屈+群は他群に比べ低年齢より退行変性の発生を認め、どの年代においても重症度が高かった。作業年数と頚椎退行変性重症度の相関関係を検定した。年齢・性別で補正し、老化現象による退行変性の影響を除外した偏相関において後屈+群に有意な相関関係を認めた。脊柱管の狭窄因子に関しては、頚椎中間位での脊柱管前後径が12mm以下を静的狭窄(static factor+)とした。そして頚椎後屈位で上位椎体後下角と下位椎弓先端との距離が12mm以下の場合を動的狭窄(dynamic factor+)とした。dynamic factor+を有する者が、後屈+群44名(24.9%)、後屈-群42名(20.0%)と、後屈+群に多く認められた。自覚症状において、両手指のしびれを今までに1度でも認めたことがある者が後屈+群に19名(10.7%)、後屈-群に14名(7.33%)存在した。それらの狭窄因子の有無を調べた。後屈+群において、19名中10名がdynamic factor+であった。今回我々の調査で、長期的な後屈負荷労働により頚椎退行変性が早期より起こることが解った。また、長期的な後屈負荷労働によって、頚椎の動的脊柱管狭窄が誘発され、更なる後屈負荷によって脊髄症が引き起こされると考える。以上より、頚椎の後屈負荷を受ける農作業者に対して、頚椎X線撮影を含めた検診や頚椎疾患予防の指導が必要である。
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