pH画像化に関する新しい試み 従来のpH画像化の方法^<1)>では、今回同時画像化を試みたSuccinate Dehydrogenase(SDH)活性^<2)>とpHの、同一個体を用いた同時画像化は不可能であった。そこで今回新たにpHとSDH活性の同時画像化ができる方法の開発を試みた。 方法 スナネズミの一側頚動脈閉塞後24時間で脳を取り出し、1mmの厚さの前頭断を作成した。このうち海馬を含むもの2枚の脳切片を用い、鏡面像でSDH活性とpHの画像化を行った。SDH活性は従来われわれが報告してきた方法によった^<2)>。 pHは文献2)の原理に基づき画像化した。その際原法では20μの脳切片を用いるが、われわれは1mmの脳切片をそのまま用いるために、以下の工夫をした。 まず、umbelliferoneを溶かす溶媒を、kerosene、monobrombenzen、methylacohl、isopropyllalcohlの4種で実験した。その結果monobrombenzenを用いたときにもっとも安定した画像が得られた。現時点ではまだpHと画像上のoptical densityとの直線関係が不十分であり、温度その他条件を変えて、さらに改良中である。 こうして得られた画像でpHが低下している領域に一致してSDH活性の低下が認められた。
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