研究概要 |
(1):知覚過敏状態モデルの作成:ラットを用い,一方の坐骨神経を半結紮して,1週間ごとに1ヵ月間,熱刺激鎮痛効果判定装置により観察した. 熱刺激から,逃避反応を生じるまでの時間は,半結紮側のほうが非結紮側よりも短縮した. また半結紮の効果は,1週間目より現われて,1ヵ月間続いた. (2):Adriamycin(以下ADM)の知覚過敏状態への効果:(1)の実験結果をもとに,ラットの両側の坐骨神経を半結紮して,左側に生理食塩水5μlを注入した群および左側にADM5μgを5μl含有した同量の生理食塩水を神経内に注入した群の2群を比較した. 熱刺激から,逃避反応を生じるまでの時間は,非注入側と比較して,ADM群は有意に延長したが,生食群は差がなかった. すなわち,ADM注入は坐骨神経半結紮による知覚過敏を軽減させると考察する. (3):(2)では,坐骨神経半結紮と同時にADMもしくは,生食を注入したが,以後は,半結紮2週間後で知覚過敏が形成されてから注入し,同時に組織も観察する予定である.
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