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1999 年度 実績報告書

K^+チャネル開口薬による低血圧状態における脳の酸素供給と需要バランス

研究課題

研究課題/領域番号 09671554
研究機関岐阜大学

研究代表者

粕谷 由子  岐阜大学, 医学部, 助教授 (90126730)

研究分担者 土肥 修司  岐阜大学, 医学部, 教授 (40155627)
キーワードK^+チャネル開口薬 / 麻酔作用 / イオン輸送 / 脳波 / pEEGモニター / SEF / SMF / 麻酔深度
研究概要

昨年の研究結果で、K^+チャネル開口薬であるニコランジルはINVOS・Navigator INV-COMPSEP(Somanetics社製)にて、呼吸・循環の大きな変化をきたすことなく臨床的に脳血管とくに動脈血管を拡張させることが示唆された。
本年度はさらにニコランジルの脳内における麻酔作用におよぼす影響について検討した。ニコランジルに代表されるチャネルに作用する薬剤は、イオン輸送のメカニズムに影響を与え、ニューロンの環境を変化させる。これを臨床的にとらえることを目的とした。
予定手術患者を対象にイソフルレン・亜酸化窒素・酸素・硬膜外麻酔で麻酔を維持し、ニコランジルを0.08mg・kg^<-1>・h^<-1>から開始し15分毎に0.08mg・kg^<-1>・h^<-1>増加し0.4mg・kg^<-1>・h^<-1>まで投与する間、脳波をpEEGモニターにて、左右SEF90、SMF、δμVを測定し、pEEGwinで解析した。
結果:1.左右SEF90はニコランジルを0.08、0.16、0.24、0.32、0.40mg・kg^<-1>・h^<-1>投与後コントロール値に比較し有意に(p<0.0001)低下した。また投与中止5分後も有意に(p<0.01)低下していたが、10分後ほぼコントロール値に回復した。
2.左右SMFも同様に低下したが、有意差はなかった。
3.左右δμVも同様に低下した。左δμVは0.08、0.32mg・kg^<-1>・h^<-1>投与後有意に(p<0.05)低下し、右δμVは0.08、0.16mg・kg^<-1>・h^<-1>投与後有意に(p<0.05、p<0.01)低下した。
4.動脈圧、心拍数、中心静脈圧の有意な変化はなかった。
結語:1.ニコランジルは麻酔深度に影響をおよぼす。
2.K^+チャネル開口薬の持続投与は麻酔深度を深くする。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 粕谷由子.土肥修司: "脳酸素飽和度モニター上HoodVolumeindexが負の値をとった症例"岐阜県医師会雑誌. 10. 391-393 (1997)

  • [文献書誌] 粕谷由子.土肥修司: "ニコランジルの脳組織酵素飽和度(r5O_2)に及ぼす影響"麻酔. 46. 1305-1309 (1997)

  • [文献書誌] 粕谷由子.道野朋洋: "脳分離灌流時の左右脳内酵素飽和度とヘモグロビン指数の変化"麻酔. 47. 359-361 (1998)

  • [文献書誌] 粕谷由子.河合祐子: "パルス式色素希釈法による心拍出量測定の検討"麻酔. 47. 756-758 (1998)

  • [文献書誌] 粕谷由子.土肥修司: "K^+チャネル開口薬の脳組織酵素飽和度および頭蓋内血液量指数"蘇生. 17. 37-40 (1998)

  • [文献書誌] 粕谷由子.土肥修司: "ニコランジル投与の頭蓋内ヘモグロビンにおよぼす影響"岐阜県医師会雑誌. 11. 83-96 (1998)

  • [文献書誌] 粕谷由子: "今、再び、色素希釈法による心拍出量測定"日産化学工業株式会社. 50 (1998)

  • [文献書誌] 粕谷由子: "PDD法による心拍出量測定は低心拍出量時にTD法との差が大きくなる"日産化学工業株式会社. 50 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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