研究課題/領域番号 |
09671560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
妙中 信之 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (10127243)
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研究分担者 |
島岡 要 大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281133)
西村 匡司 大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (10172701)
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キーワード | 急性呼吸不全 / 人口呼吸 / 横隔膜 / 呼吸筋 / 疲労 |
研究概要 |
重症肺病変を持った患者は肺コンプライアンスの低下が大きく、硬い呼吸器系で呼吸するために呼吸筋は多大なエネルギーを消費し、呼吸筋疲労を起こして呼吸不全に陥る。人口呼吸の目的のひとつはこの呼吸筋疲労を予防し、また、呼吸筋疲労からの回復を促すことにある。今回の研究では、家兎を用いて横隔膜疲労モデルを作成したあとPSV(Pressure support ventilation=圧支持換気)で換気し、横隔膜疲労からの回復程度を検討した。 【対象と方法】 21羽の家兎を用いた。横隔膜疲労は、外頸静脈から挿入した刺激電極により、横隔神経を最大上刺激電圧で50Hz、duty cycle 0.5、50回/分で30分間刺激して作成した。PSVは0cmH20(SB群n=7)、10cmH20(P10群 n=7)、20cmH20(P20群 n=7)でそれぞれ90分間換気し3群間で比較した。横隔膜疲労度は、軌道閉塞下に、最大上刺激電圧で100Hz、20Hzで刺激した時に発生する気道内陰圧(Poc)で評価した。 【結果】 疲労作成直後のPocは、100Hzで刺激した場合、3群とも疲労作成前(baseline)の60〜65%であった。90分間換気後のPocは、SB群でbaselineの94.8±3.6%、P10群で74.6±6,2%、P20群で66.9±3.3%であった(P<0.05)。20Hz刺激時の回復度は3群間に差はみられなかった。 【考察】 PSVによる補助換気は、自発呼吸と比べて、横隔膜疲労回復をむしろ遅らせた。横隔膜活動をある程度以上抑制すると、疲労回復が遅れる可能性がある。
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