研究課題/領域番号 |
09671561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三川 勝也 神戸大学, 医学部・付属病院, 講師 (40229662)
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研究分担者 |
仁科 かほる 神戸大学, 医学部・付属病院, 医員
志賀 真 神戸大学, 医学部, 助手 (10273773)
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キーワード | 多臓器不全 / リドカイン / 好中球 / 肺障害 / 活性酸素 |
研究概要 |
ウサギを用いて塩酸を経気道投与し、肺障害および多臓器不全モデルを作成した。リドカインを前投与に引き続き持続与し障害の発生に与える影響を調査した。塩酸の投与により酸素化能の低下、コンプライアンスの上昇、末梢血白血球および血小版の低下がみられた。6時間経過後に気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取した。BALF中のアルブミン、インターロイキン8、好中球が上昇していた。また肺乾湿重量比(W/D ratio)をもとめたところ肺水分量の増加が認められた。リドカイン投与によ、酸素化能の低下の抑制がみられ、W/D ratioの減少、BALF中の遊走白血球の減少がみられ、組織学的にも、肺炎症の抑制がみられた。また、BALF中のインターロイキン8増加ががリドカイン投与群では減少していた。リドカインがインターロイキン8産生を直接抑制したか、またはリドカインにより炎症および好中球活性化が抑制されることにより産生が減少し、さらに炎症の進行を抑制した可能性も考えられる。さらに、多臓器についての影響を現在検討中である。ヒトの末梢好中球を使用して活性酸素産生に与えるリドカインの影響を調査した。リドカインは産生された活性酸素に対してはまったく影響をもたなかった。オプソニン化ザイモザンを用いて、経受容体的に好中球を刺激するとリドカインは濃度依存的に、スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカルの産生をいずれも抑制することがわかった。今後、その他の刺激(エンドトキシンなど)による刺激により好中球の分泌能に対するリドカインの効果つきさらに研究を進めている。また主にサイトカイン産生を担う単球.マクロファージについてもリドカインの作用を現在検討中である。
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