研究概要 |
1。ラットの海馬スライス標本作成 当初の計画ではマウスであったが、小さすぎて技術的に困難であったため、幼若ラットで行なった。ラットをエーテル麻酔下に断頭し、速やかに脳を摘出した。直ちに冷却し、厚さ350μmのスライスを作成した。一時間incubationした後、トリミングをし、電気生理実験に供した。記録電極と刺激電極はそれぞれガラス管とタングステンで自作した。 2。長期増強(LTP)及び長期抑圧(LTD)の成立。 0.3mA,100Hz,1secのテタヌス刺激を、10秒間隔で3回Schaffer側枝に与えることによって、CA1錐体細胞領域のfield potentialにおいてLTPを成立させることができた。 さらに、1Hzのパルス刺激を900回与えることにより同領域にLTDを成立させた。しかしこれはLTP程長期間成立せず、これを安定して得るための刺激条件を探すことが必要である。 現在、加温加湿可能型吸入麻酔薬流下式スライスチャンバーを設計製作中で、これが完成すれば上記LTP,LTDへの吸入麻酔薬の影響を観察することができる。
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