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1997 年度 実績報告書

脊髄におけるNMDA受容体-NO-cGMP系を介する疼痛制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09671580
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都府立医科大学

研究代表者

田中 義文  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50079935)

研究分担者 伊吹 京秀  京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90232587)
キーワード脊髄 / 疼痛 / 一酸化窒素 / NMDA
研究概要

近年、その疼痛のメカニズムとして、脊髄後角シナプスにおけるNMDA受容体-NO-cGMP系を介する疼痛の情報伝達システムの存在が解剖学的にも生化学的にも明らかとなり、その役割が注目されている。すなわち、いわゆる疼痛過敏状態では海馬におけるNMDA受容体-NO-cGMP系を介する記憶形成における長期増強現象と同様のメカニズムが脊髄後角細胞にはたらき、疼痛閾値に変化をあたえるのではないかという仮説が提唱されている。
近年、NOの測定にはNO特異的電極が開発され、in situにおけるNOの測定が可能となり、本年度の研究において我々は外径30μmの微小NO電極を用いて世界で初めて、ラット腰部脊髄後角におけるNOの変化を測定することに成功した。その結果、カプサイシン足底皮下投与後に一過性のNOの上昇を認めた。また、通常の単発疼痛刺激ではNOの変化がみられないのに対し、ホルマリン足底皮下注刺激においては、いわゆる痛みの第2層以降にNOの上昇を認めた。また、NMDA受容体阻害剤によりカプサイシン投与後のNO上昇はブロックされず、ホルマリン投与後のNO上昇はブロックされたことから、脊髄におけるNOの上昇がそれぞれ後根神経節細胞由来と脊髄後角細胞由来のものであることが推定された。また、カプサイシン投与によるNOの上昇は、脊髄スライスを用いた実験においても同様にみることができた。今回の我々の研究において、疼痛刺激による脊髄におけるNOを直接測定する方法を確立しえたことは、非常に意義のあることと考える。また、我々は同様にグルタミン酸の微小電極を作成しているが、現在のところスライスを用いたIN VITROにおいては予備実験に成功している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masato Harada: "Measurement of nitric oxide in the rat cerebral cortex during mypercapinea" Neuroreport. 8・43. 999-1002 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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