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1997 年度 実績報告書

周術期における循環変動を伴わない心筋虚血と血管内皮機能

研究課題

研究課題/領域番号 09671594
研究種目

基盤研究(C)

研究機関久留米大学

研究代表者

渡辺 誠之  久留米大学, 医学部, 講師 (10201196)

研究分担者 加納 龍彦  久留米大学, 医学部, 教授 (50040605)
山田 信一  久留米大学, 医学部, 助手 (90258484)
濱田 伸哉  久留米大学, 医学部, 助手 (70238070)
キーワード心筋虚血 / 血管内皮機能 / エンドセリン / 一酸化窒素
研究概要

研究(1)冠動脈内エンドセリン(ET-1)注入による誘発性冠動脈攣縮に対する血管内皮依存性冠血管拡張の拮抗作用
血圧・心拍数を制御したモデル(犬)において、左大腿動脈-冠動脈バイパスを作成した。バイパス内に血管内皮依存性の冠拡張作用を示すアセチルコリン(Ach)を4段階の濃度(0、0.1、1.0、10μg)に分けて投与し、冠血流増加曲線のコントロールを得た。ET-1を注入することにより冠血流を約30%減少させた。再度Achを同様に投与し、ET-1投与前後において比較検討した。アデノシンによる冠血流は約93%の増加を来した。安静時の冠血流量は約61ml/min/100gであり、Ach投与(10μg、冠動脈内投与)により最大80%の増加を来した(約110ml/min/100g)。ET-1投与(約15pM/分)により冠血流を約33%低下させる事が出来た(約40ml/min/100g)。Ach最大投与時(10μg、冠動脈内投与)においても冠血流はコントロール値の約40%までしか増加しなかった(約85ml/min/100g)。これらの結果より血管内皮由来血管収縮作用(ET-1)による中等度冠血流減少状態において血管内皮由来冠血管拡張作用よりも強力であることがわかった。平成10年度にはこの生理学的意義を冠血流分布、心筋代謝を測定し確認したい。
研究(2)臨床研究
虚血性心疾患患者における副交感神経刺激の心血行動態・冠循環に対する影響
循環動態の変動を伴わない術中心筋虚血発生時の多くは、自律神経の変動が心筋虚血の発生に関与していると疑われている。このため、副交感神経を過緊張させる抗コリンエステラーゼ阻害薬(エドロフォニウム20mg)を虚血性心疾患患者に投与し心血行動態・冠循環に対する影響を検討した。現在のところ27名が対象となっている。エドロフォニウム投与により全例洞性徐脈(平均-15心拍/分)を来したが、収縮期血圧、肺動脈圧、中心静脈圧には変化が見られなかった。心電図においても虚血性変化は無く、心筋酸素需要供給バランスは保たれており、冠動脈攣縮による心筋虚血を疑わせる所見は見られていない。今回対象の虚血性心疾患患者はすべて交感神経遮断薬を投与されており、副交感神経過緊張状態は循環変動を伴わない心筋虚血発生状況と非常に類似点はあるものの副交感神経過緊張のみでは冠攣縮の発生には至らないことを示唆する。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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