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1997 年度 実績報告書

前立腺癌の分化誘導療法に関する基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 09671606
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

後藤 智隆  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70282655)

研究分担者 永冨 裕  東京大学, 医学部附属病院, 助手
北村 唯一  東京大学, 医学部附属病院(分), 助教授 (70010551)
保坂 義雄  東京大学, 医学部附属病院(分), 講師 (70133080)
松島 常  東京大学, 医学部附属病院(分), 助手 (60157310)
キーワード前立腺癌 / LNCaP / 分化誘導 / パパベリン / プロスタグランジンE_2 / 神経内分泌細胞
研究概要

ヒト前立腺癌細胞株LNCaP細胞をパパベリン(10^<-5>M)とプロスタグランジンE_2(10^<-5>M)で処理することにより、神経内分泌細胞様の形態変化が高率に認められた。すなわち、細胞は胞体が小さくなり、細長い神経様の突起が伸び、近傍の細胞同士が連結するようになった。変化した細胞の電顕像は、神経突起様の部位に微小神経管構造を認め、また細胞質に電子密度の高い顆粒を認め、神経内分泌細胞への分化誘導を示唆する所見であった。LNCaP細胞の性状の変化について解析では、ノザンブロットでPSA(prostate specific antigen:前立腺特異抗原)mRNAの発現の減少が認められた。また、LNCaP細胞で見られる癌遺伝子であるc-mycの発現の減少も認められた。神経系のマーカーとされているCgA、NSE、AchEの発現をウエスタンブロットで解析した結果、CgAとNSEの発現の変化は認められなかったが、AchEの発現の増大が認められた。細胞接着因子であるインテグリンの発現の変化をフローサイトメトリーで解析した結果、フィブロネクチンレセプターであるインテグリンα5の発現の亢進が認められた。細胞外マトリックスの構成成分であるタイプIコラーゲン、タイプIVコラーゲン、フィブロネクチンに対する接着能を細胞接着アッセイで測定したところ、タイプI、タイプIVコラーゲンに対する接着能の変化はなかったが、フィブロネクチンに対する接着能は有意に増大していた。in vitroインベ-ジョンアッセイでは、薬剤処理したLNCaP細胞の浸潤能の著明な低下が認められた。ヒト前立腺癌細胞株LNCaPは、パパベリンとプロスタグランジンE_2の併用により、高率に神経内分泌細胞細胞様の形態変化を示し、増殖能の低下に加え、腫瘍マーカーや癌遺伝子の発現減少、浸潤能の低下を示した事から、悪性化形質が低下すると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 松島 常、他: "Combind analysis with Bcl-2 and p53 immunostaining predicts poorer prognosis in prostatic carcinoma" The Journal of Urology. 158. 2278-2283 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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