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1999 年度 実績報告書

膀胱摘除後の尿道からの自然排尿可能な腸管利用代用膀胱の排尿機能,QOLの観察

研究課題

研究課題/領域番号 09671607
研究機関東京大学

研究代表者

保坂 義雄  東京大学, 医学部・附属病院・分院, 助教授 (70133080)

研究分担者 北村 唯一  東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (70010551)
キーワード膀胱摘除 / 自然排尿 / 腸管利用代用膀胱 / 排尿機能 / QOL / 膀胱癌
研究概要

平成11年度は、これまでの3年間の本研究の対象を総括することを主目的とした。最終的に23例の代用膀胱造設術を施行し、6ヶ月以上経過観察できた21例について検討を行った。観察期間は平均34.3ヶ月(6ヶ月〜5年)である。20例が膀胱癌、1例が膀胱結核である。術式は19例が我々が開発した回腸利用代用膀胱形成術(第85回、第87回日本泌尿器科学会総会で発表。ゼネカ薬品ビデオライブラリ-に収録。)、1例がilndianaPatch法、1例がLeBag法である。3例が癌死、4例が癌有り生存、13例が癌なし生存である。結果は静脈性腎孟尿管造影、Computedtomographyで水腎症を認めるものはない。膀胱尿管逆流(VUR)検査は検査施行13例中、3例はgrade1〜2のVURを認めた。ウロダイナミックス検査では、膀胱内圧測定を行った20例で不随意収縮波を認めたものは4例あったが、術後1年以上経過すると代用膀胱の内圧は安定し、不随意収縮波の消失などが確認された。術後1年以上経過後の平均の初発尿意は200ml、最大尿意は350mlであった。同様に尿流測定では、平均尿流率は6.0ml/sec、最大尿流率は16.0ml/secであった。尿道閉鎖圧は平均20mlであった。MRIではパウチがいわゆるpouchcele状態のものは無かった。1例のみが夜間パットをしようとしている。自己導尿に移行した症例はない。5年以上経過した例でも著変なく安定した膀胱内圧、尿道閉鎖圧を確認できている。性機能が保たれている若年者では、術前に近い定期的な性交渉が続けられている。平成11年度には女子の転移を有する膀胱癌患者の代用膀胱手術のビデオを作製し、ゼネカ薬品ビデオライブラリ-に追加収録した。平成12年4月の第88回日本泌尿器科学会で本研究の臨床的検討を報告し、平成12年7月の第27回尿路悪性腫瘍研究会でQOLについて報告する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 高井計弘、北村唯一: "Female ileal neobladder-リンパ節転移を認め腸骨動脈交又部以下の右尿管も合併切除した症例-"ゼネカ薬品ビデオライブラリ-. 1月. (1999)

  • [文献書誌] 高井計弘: "新膀胱作製において使用予定腸管が尿道に届かないときの工夫-腹膜補助切開、形態の工夫、ほかの腸管の使用-。臨床泌尿器科のコツと落とし穴"中山書店. 100〜102 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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