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1998 年度 実績報告書

膀胱癌患者の尿沈渣を用いた染色体異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09671609
研究機関東京大学

研究代表者

田中 良典  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50236650)

研究分担者 亀山 周二  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90186015)
高橋 悟  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50197141)
キーワード膀胱癌 / FISH / allelic loss / microsatellite instability / 尿中剥離細胞
研究概要

膀胱腫瘍が確認された31例、並びにTUR-Btの既往を有し現在再発のない10例から得た自然尿中剥離細胞に対して第7、8、9、17染色体のセントロメアプローブを用いてFISHを施行した。また尿中剥離細胞ならびに患者血液から得たDNAを用いて第9染色体の短、長腕領域を含む6個のMicrosatellite markersによるPCRを行い、allelic loss(AL)、並びにmicrosatellite instability(MI)を検出した。これらの結果を尿細胞診、Bladder Tumor Antigen(BTA)テスト(Bard社)の結果と比較した。
FISHは膀胱腫瘍が存在する31例中24例(77%)で染色体の数的異常(aneusomy)を検出した。最も高頻度な異常はaneusomy9で23例(74%)に認め、FISH陽性率はhighgradeの腫瘍で高かった。またmicrosatellite PCR法でALあるいはMIが検出されたものは15例(75%)であった。一方、尿細胞診、BTAテストの陽性率はそれぞれ34%、46%であり、FISH並びにmicrosatellite PCR法の膀胱腫瘍検出感度は有意に高かった(共に、p<0.01[v.s.尿細胞診],p<0.05[v.s.BTAテスト])。またFISHは現在再発を認めない10例中4例(40%)でaneusomyを検出したが、尿細胞診、BTAテストは全例陰性であった。興味深いことに、FISH陽性例のうち1例は4カ月後にCISの再発を認めた。
以上、FISH、並びにmicrosatellite PCR法は自然尿中剥離細胞を用いた膀胱腫瘍の新しい非侵襲的検出法として有用である可能性が示された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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