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1998 年度 実績報告書

前立腺肥大症におけるアンドロゲン受容体遺伝子多型の臨床的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671626
研究機関京都大学

研究代表者

寺井 章人  京都大学, 医学研究科, 助手 (50243019)

研究分担者 賀本 敏行  京都大学, 医学研究科, 助手 (00281098)
七里 泰正  京都大学, 医学研究科, 助手 (20263080)
水谷 陽一  京都大学, 医学研究科, 助手 (10243031)
筧 善行  京都大学, 医学研究科, 講師 (20214273)
キーワード前立腺肥大 / アンドロゲン受容体 / 遺伝子多型
研究概要

アンドロゲン受容体の転写活性制御部にあるポリグルタミン(CAG)の長さに多形が見られることが判明している。このポリグルタミン部分の正確な機能は不明であるが、この部分の長さが受容体の活性に逆相関することが報告され、またその長さの異常と遺伝疾患との関連も示されている。アンドロゲン依存性を持つ前立腺癌においても、CAG repeat数が調べられ短い症例が多いという報告がなされている。前立腺肥大症も前立腺癌と同様にアンドロゲンが分化増殖に関与していると考えられ、CAG repeat数と腺腫の重量に相関関係があるかを調べた。前立腺被膜下摘除術を受け病理学的に前立腺肥大症と診断された症例を検討対象とした。前立線癌59例、腺腫重量65g以上48例(平均72.1歳)、21g以下47例(平均68.4歳)、経直腸エコー、PSA正常で腺腫容積20ml以下70歳以上の臨床的に前立腺肥大症のない対照群39例(平均78.4歳)のCAG repeat数の平均は各々23.0、21.8、22.9及び23.0でCAG repeat数18以下の5症例はすべて腺腫重量65g以上もしくは前立腺癌症例であった。今回の結果では肥大の高度な症例については臨床的に前立腺肥大症のない対照群に比べCAG反復長が有意に短いとの結果を得た(p=0.045)。また肥大の程度とCAG反復長も統計学的には有意ではないが、前立腺肥大腺腫の大きいものはCAG反復長が短い傾向がみられた。特にCAG反復数が18以下の症例は我々の調べた範囲ではすべて前立腺肥大症または前立腺癌であったことは症例数が少ないものの興味深い。前立腺肥大に対する抗アンドロゲン剤による腺腫縮小とCAG反復長についてはまだ少数例での検討であるが相関はみられなかった。
今後症例の蓄積をさらに進め組織型との相関を加えて解析する。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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