研究課題/領域番号 |
09671635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 寛史 九州大学, 医学部, 助手 (20271108)
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研究分担者 |
小藤 秀嗣 九州大学, 医学部, 助手 (80294940)
内藤 誠二 九州大学, 医学部, 助教授 (40164107)
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キーワード | 抗癌剤耐性 / シスプラチン / 膀胱癌 / グルタチオン / トポイソメラーゼII / cMOAT / 耐性克服 |
研究概要 |
グルタチオン濃度の亢進、glutathione S-transferase π mRNAの発現亢進がcisplatin耐性の機序として明らかにされた膀胱癌 cisplatin耐性株を用いて、グルタチオン生成の律速酵素であるγ-GCSを抑制するbuthionine sulfoximine(BSO)によるcisplatin耐性克服の可能性について検討した。その結果、グルタチオン関連酵素が関与する cisplatin耐性膀胱癌ではBSOをmodulatorとすることによってcisplatin耐性が克服される可能性が示された。 ヒト膀胱癌細胞株SNK57をADMに持続接触させることによってADM耐性膀胱癌細胞株 SNK57/ADMおよびその revertantであるSNK57/ADM-Revを樹立した。SNK57/ADMはVBL、VP16、cisplatinに交叉耐性を示した。一方、SNK57/ADM-RevではADMのみならずVBLやVP16に対する耐性が回復していたが、cisplatinに対する耐性は持続してみられた。耐性遺伝子の発現 はSNK57/ADMではtopoisomerase II(Topo II)mRNAの発現低下および cMOAT(canalicular multispecific organic anion transpoter)mRNAの発現亢進がみられた。一方、SNK57/ADM-RevではTopo II mRNAの発現が親株のレベルにまで回復していたが、cMOATの発現亢進はそのまま持続してみられた。以上より、膀胱癌のcisplatin耐性におけるcMOATの関与が示唆された。
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