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1998 年度 実績報告書

前立腺癌に対する温熱療法の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671648
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

出口 修宏  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90118977)

研究分担者 野中 昭一  埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70255537)
上野 宗久  埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (60167286)
中野 間隆  埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50198173)
キーワード前立腺癌 / 温熱刺激 / 細胞周期 / HSP70 / アポトーシス / ケルセチン
研究概要

前立腺癌細胞株に対する温熱刺激では、細胞により増殖抑制効果が異なり、これにHSP70の発現や細胞周期が深く関与していることを我々は報告してきた。特に、HSP70は、温熱刺激により誘導され、熱に対する細胞保護としての機能が働いており、これにより温熱刺激の増殖抑制効果を不十分にしていると考えられる。したがって、HSP70の発現を抑制、減弱させることにより温熱刺激の増殖抑制効果の増強が期待される。よって、平成10年度は、HSP70の発現を滅弱させると最近報告されているケルセチンの温熱刺激増強効果について検討した。3種類の前立腺癌細胞株(LNcap,JCA-1,PC-3)を用いて、ケルセチンは50μMの濃度を24時間曝露し、以下の4群で実験を行った。1)非温熱刺激群2)温熱刺激群3)ケルセチン単独処理群4)ケルセチン前処置後温熱刺激群
1) 細胞増殖への影響:LNcap,JCA-1ではケルセチン単独でも増殖抑制効果が見られ、さらに温熱刺激増強効果が見られた。
2) 細胞周期の変化:LNcap,JCA-1ではS期細胞の割合の減少が見られ、LNcapでは、温熱刺激増強効果が見られた。PC-3細胞では明らかな変化はなかった。
3) HSP70の発現:LNcap,JCA-1ではケルセチン単独でもHSP70の発現を減少させ、さらに温熱刺激により増強されるHSP70の発現を抑制した。PC-3細胞では若干の増強効果のみ認められた。
4) アポトーシスの発現:LNcap,JCA-1ではケルセチン単独で明らかなアポトーシスの発現が見られた。さらに温熱刺激によって誘導されるアポトーシスの発現を増強した。
以上よりケルセチンは、HSP70の発現を抑制、減弱させ、アポトーシスの発現を増強することにより、温熱刺激の増殖抑制効果を増強するものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中野間隆: "ヒト前立腺癌細胞における温熱刺激の抗腫瘍効果" HUMAN CELL. 11(3). 167-174 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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