研究概要 |
【目的】Nested reverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)法によるprostate specific antigen(PSA),prostate specific membraneantigen(PSM)mRNAの検出を指標とした、前立腺癌細胞の検出を行い、リンパ節の前立腺癌微小転移とBiochemical recurrenceの予測を検討した。 【対象】根治的前立腺全摘術を施行した29例の手術時に選択した210個のリンパ節とした。 【結果】通常の病理学的に前立腺癌のリンパ節転移と診断した6例においてnested RT-PCBによりPSA,PSMmBNAが検出された。さらに病理学的に前立腺癌転移を認めない23例において、4例にPSMmRNA,3例にPSAmRNAが検出された。残りの19例においては、病理学組織学的検討とnested RT-PCRにてそれぞれ前立腺癌細胞とPSA,PSMmRNAの発現とを認めず、リンパ節転移なしと診断した。 術後観察期間は3〜44ヵ月(平均18ヵ月)にて、Biochemical recurrenceを認めたのは、7症例(病理学組織学的リンパ節転移あり:2例、病理学組織学的リンパ節転移なし:5例)であった。リンパ節でのPSM-PCBの陽性患者は陰性患者に比較して有意にBiochemical recurrenceのない期間が短かった。(p=0.015,log-rank pvalue)。病理学的診断とPSA-PCR去ではBiochemical recurrenceとの相関はなかった(p=0.899,p=0.085,log rank test)。
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