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1998 年度 実績報告書

腎癌の浸潤・転移と細胞接着分子Cadherin発現に関する基礎的、臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671651
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

中島 洋介  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20172322)

研究分担者 大家 基嗣  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00213885)
大東 貴志  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80185371)
朝倉 博孝  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50175840)
橘 政昭  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70129526)
キーワードCadherin-6 / N-Cadherin / E-Cadherin / 腎癌 / 悪性度
研究概要

腎癌におけるE-cadherin(EC)、N-cadherin(NC)、P-cadherin(PC)およびcadherin-6(cad6)の発現を、免疫染色、ウエスタンプロット法およびノーザンプロット法を用いて検討した。抗cadherin抗体は、各々抗ECモノクローナル抗体、抗NCポリクローナル抗体、抗PCモノクローナル抗体および抗K-cadherinモノクローナル抗体を用いた。ヒト腎癌細胞株KU2、Caki-1、Caki-2、ACHNを用いた検討では、cad6は全細胞株で、NCはACHNを除く細胞株で、ECはACHNのみに発現していたが、PCの発現は認めなかった。KU2細胞のSCIDマウス皮下移植による検討では、皮下腫瘍でNCおよびcad6のわずかな発現を認めたが転移巣では明らかでなかった。さらに、腎癌手術例27例(G1:10例、G2:12例、G3:5例)の原発巣および2例の肺転移巣の腫瘍組織を用いて各cadherinの発現を検討した。原発巣でのEC、NC、cad6の発現は各々9例(33%)、25例(93%)、22例(81%)であり、転移巣ではEC1例、NCとcad6は2例とも発現を認めた。ECとNCの同時発現例を20例で認めたが、ECとcad6を発現する例は7例のみであった。なお、PCを発現した例はなかった。NCを単独で発現している腫瘍の割合は異型度と共に増加する傾向があり、ECとNCまたはcad6を同時発現する腫瘍は異型度が低い傾向があったが有意ではなかった。すなわち、各cadherinと腎癌の悪性度(異型度)、転移との間に有意な関連性は得られなかった。各cadherinの免疫染色による発現性は、発現パターンに均一なものと不均一なものを認めたため、今後は発現形式、染色性を詳細に解析すると共に、上記以外のcadherinにも目を向け検討する必要性があると考えられた。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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