研究課題/領域番号 |
09671652
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
田辺 一成 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80188359)
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研究分担者 |
八木沢 隆 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80167692)
徳本 直彦 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30246540)
古賀 祥嗣 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30277123)
橋本 悦子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40130273)
林 直諄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075286)
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キーワード | C型肝炎 / 慢性腎不全 / 腎移植 / インターフェロン |
研究概要 |
C型肝炎の透析患者および腎移植患者に対する影響について長期成績について検討した。われわれの検討では、腎移植後10年の経過観察では生存率に有意差を見いだせなかったものの、15年から25年後に肝硬変、肝癌となることはよく知られている。 われわれの検討では、HCV抗体陽性95例のうち移植前に肝障害の既往のあったのは16例(16.8%)であった。これを766例を対象に移植後の肝障害の有無についてHCV陽性群とHCVが陰性の群との比較検討を行ったところ、HCV陽性群では95例中63例(66.3%)に肝障害を認めたのに対し、HCV陰性群では671例中79例(11.8%)に肝障害を認めたに過ぎなかった。移植後の免疫抑制剤の投与が、肝病変の進行やHCVの増殖にどのような影響を及ぼしているかに関しては、現在のところ明らかではない。しかしながら、腎移植後に肝障害が増加していることを考えると免疫抑制剤が何らかの関与をしている可能性は否定できない。 透析中及び腎移植後の患者にたいしインターフェロンを用い治療を試みたところ、治療成績は、治療反応例100%、完治率60%と非腎不全患者と比較して著しく良好であった。現在までの検討によりこの著しく良好な治療反応性の原因については透析療法にともなうHCV遺伝子の損傷ないしは突然変異が原因である可能性が示唆されるデータがあるものの正確なメカニズムについては不明である。遺伝子レベルでこの反応性良好のメカニズムについて現在までに知られている変異について検討してきたが、既知の遺伝子変異が原因となっていないことが明らかとなったものの、原因となる変異についてはいまだ確定できておらず、現在検討中である。
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