研究概要 |
主要研究実績 [目的]子宮内膜癌において腫瘍血管新生、hepatocyte growth factor(HGF),およびc-Met蛋白発現と臨床病理学的予後因子、および予後との関係を明らかにすることを目的とした。[方法]抗第VIII因子関連抗原抗体を用いた免疫組織化学染色法により血管内皮細胞を同定し、腫瘍組織内で血管密度の高い部位100倍鏡検下1視野内の平均血管数を微小血管数とし腫瘍血管新生の指標とした。また、HGF,c-Met蛋白発現は、それぞれanti-HGF α polyclonal antibody,anti-c-Met polyclonal antibodyを一次抗体とし免疫組織化学染色を行った。[成績]予後因子との関係では、微小血管数と進行期、分化度、リンパ節転移との間に、およびc-Metの発現と進行期、分化度との間に正の相関を認めた。予後との関係では、微小血管数高値群およびc-Met陽性群の生存率は有意に低下していた。HGFの発現と予後因子、予後との間に有意な関係を認めなかった。さらに微小血管数、HGF,c-Metを含めた多変量解析を行ったところ微小血管数、進行期、分化度、筋層浸潤が独立した予後因子であった。[結論]微小血管数を定量評価することは子宮内膜癌の新しい予後因子として有用であることが示唆された。 関連研究実績 1) 子宮内膜癌の細胞診によるスクリーニングに関して集団検診の評価を行った。 2) 子宮内膜癌の細胞周期調節因子の発現に関して免疫組織化学および臨床病理学的解析を行った。 3) 子宮内膜増殖症のprospective studyによって異型増殖症は高率に癌化することを明らかにした。 4) 子宮内膜癌の血管新生に関する最近の研究成果を総説として発表した。
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