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1997 年度 実績報告書

テロメア・テロメラーゼ活性からみた卵巣機能の評価

研究課題

研究課題/領域番号 09671662
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山形大学

研究代表者

斎藤 英和  山形大学, 医学部, 助教授 (90125766)

キーワードテロメア / テロメアーゼ活性 / 卵巣機能 / 顆粒膜細胞 / 卵
研究概要

細胞の老化や癌化にテロメア、テロメアーゼが深く関与することが報告され、とくに癌の悪性度とテロメアーゼ活性が相関することが、種々の癌細胞で報告されるようになった。また、正常の細胞のうちでも生殖細胞である、精巣や卵巣においてもテロメアーゼ活性が認められている。そこで本研究では卵胞の発育の主成分である顆粒膜細胞にテロメアーゼ活性が存在するか、またテロメアーゼ活性が、卵胞の発育にどのような影響を及ぼしているのかについて検討する。まず、ヒトの体外受精治療時に得られる顆粒膜細胞にテロメアーゼ活性が存在するかについて検討した。ヒト体外受精の採卵時に得られた卵胞液をパーコルグラディエント法にかけて血球成分を取り除き、壁側顆粒膜細胞を採取した。卵-卵丘塊から26G針を用い機械的に卵丘顆粒膜細胞を採取した。これらの細胞はPBS(-)にて2回洗浄し、顆粒膜細胞のテロメアーゼ活性を測定した。
1.テロメアーゼの抽出:顆粒膜細胞ペレットを1×CHAPS溶解液を用いて抽出し、30分間氷上で30分間インキュベートし、4℃、12000gで20分間遠心し、上清を用いた。
2.反応混合物の調整:1アッセイ当たり、10×TRAPバッファー5.0μ1、50×dNTPs混合物1.0μ1、TSプライマー1.0μ1、TRAPプライマー混合物1.0μ1、Taqポリメラーゼ0.4μ1、dH_2O39.6μ1を氷上にて混合し、サンプルをそれぞれ2μ1ずつ加えた。
3.テロメアーゼ伸長反応:30℃,30分間インキュベートした。
4.PCR増幅:94℃30秒、60℃30秒、72℃30秒の3ステップにて40サイクルおこなった。
5.12.5%ポリアクルアミドゲル電気泳動およびデータ解析:ロ-ディング色素をサンプルに加え、そのうちの25μ1をゲルにアプライし、500Vで1時間泳動した。その後エチディウムブロマイドで10分間染色し、画像解析装置にて解析を行った。
以上より卵丘顆粒膜細胞、壁側顆粒膜細胞の両細胞にテロメアーゼ活性を認めた。体外受精で採取される卵胞の顆粒膜細胞は卵胞発育の方向に向いた顆粒膜細胞であり、この細胞にテロメアーゼ活性を認めたことは、テロメアーゼ活性を用いて、卵胞の発育閉鎖の機序を明らかにできる可能性が示しており、今後さらに卵胞の発育閉鎖とテロメアーゼ活性との関連について検討する。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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