研究課題/領域番号 |
09671666
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢野 哲 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (90251264)
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研究分担者 |
百枝 幹雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50221627)
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キーワード | 一酸化窒素(NO) / 一酸化窒素合成酵素(NOS) / 卵胞発育 / 卵胞閉鎖 / 顆粒膜細胞 / アポトーシス / 卵巣 |
研究概要 |
今回は、顆粒膜細胞のアポトーシスに対するNOの作用について検討した。 1. Wistar系幼若雌ラットに対しpregnant mare serum gonadotropin(PMSG)腹腔内投与による卵胞発育刺激を行い、48時間後に卵巣を摘出した。卵巣の連続切片を用い、各卵胞の顆粒膜細胞においてTUNEL法によるアポトーシスの有無と免疫組織化学法によるiNOS発現の有無との相関を調べた。未熟卵胞のうちTUNEL陰性の健常なものは顆粒膜細胞にiNOSの発現が認められたが、一方、如何なる発達段階の卵胞であろうともTUNEL陽性のものにはiNOSの発現が認められなかった。 2. PMSG投与48時間後の卵巣より採取した顆粒膜細胞を24時間培養し、これにNO供与剤であるS-nitro-N-acctyl-DL-penicillamine(SNAP)を添加し48時間後に培養顆粒膜細胞よりDNAを抽出した。電気泳動法によりラダー像で示すDNA断片化をアポトーシスの指標とし、培養顆粒膜細胞に自然に生じるアポトーシスに対するNOの作用を検討したところ、SNAPの添加によりアポトーシスは抑制された。 以上の結果より、未熟な卵胞の顆粒膜細胞においてiNOSにより合成されるNOは、その顆粒膜細胞のアポトーシスを抑制し、卵胞閉鎖を阻止することが示唆された。
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