研究成果 1 インスリン及びinsulin-like growth factor-1(IGF-1)のプロラクチン産生細胞に対する増殖促進作用の濃度依存性及び時間経過を調べた。インスリンは10ng/mlでは効果がなかったが、50ng/ml以上の濃度でプロラクチン産生細胞の増殖を促進した。この効果はインスリン濃度依存性に増加し、5000ng/mlの濃度によって約14倍の最大刺激効果が得られた。一方、IGF-1は1ng/ml以上の濃度でプロラクチン産生細胞の増殖を促進し、30ng/mlの濃度で約4倍の最大刺激効果が得られた。これらインスリン及びIGF-1の促進作用は、投与16時間後より現れ、以後漸増した。 2 IGF-1抗体を用いて、IGF-1のプロラクチン産生細胞増殖促進作用の特異性を検討した。10ng/ml IGF-1プロラクチン産生細胞増殖促進作用は、マウスモノクローナル抗IGF-1抗体(Upstate Biotechnology社製)30ng/mlの前処置によって阻止された。 3 インスリンあるいはIGF-1とドーパミアンゴニストである bromocriptine の相互作用を調べた。50ng/mlインスリンによる増殖促進も、また、5000ng/mlインスリンによる増殖促進も、1nM bromocriptineは約40%抑制した。また、1ng/ml及び30ng/mlのIGF-1の増殖促進作用は、両方ともbromocriptineによって同程度抑制された。また、本年度計画していたエストロゲンとの相互作用を調べる実験は本年度に行う予定である。
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