研究課題/領域番号 |
09671690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 久留米大学 (1999-2000) 九州大学 (1997-1998) |
研究代表者 |
嘉村 敏治 久留米大学, 医学部, 教授 (30152870)
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研究分担者 |
小林 裕明 九州大学, 医学部, 講師 (70260700)
杉山 徹 久留米大学, 医学部, 助教授 (40162903)
西田 敬 久留米大学, 医学部, 教授 (70140712)
園田 顕三 九州大学, 医学部, 助手 (30294929)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 卵巣癌 / IL-6 / YB-1 / リンパ節転移 / 新生血管 / 子宮体癌 / 子宮頸癌 |
研究概要 |
癌の終末像としては血小板の増加、血中線維素原の増加など凝固系の亢進や発熱などの所見が共通のものであり、そこには炎症性病変の存在時にmacrophageを中心とする炎症性細胞より産生放出されるサイトカインの一種であるInterleukin-6の関与が推定された。そこでそれらの症例の腫瘍、すなわち癌死をもたらす予後不良の癌の性格としては卵巣癌については腹腔内の拡がりとリンパ節転移という浸潤能が重要であり(Gynecol Oncol1997;65:164-168)、また化学療法が卵巣癌の悪性度を上昇させる可能性がることがわかった(J Cancer Res Clin Oncol1998;124:607-614、Oncol Rep1998;6:97-101,Gynecol Oncol1999;72:360-366)、さらに上皮性卵巣癌の中で悪性度の高い種類のものを示す指標としてDNA binding proteinの一つであり、薬剤耐性に関わると考えられる蛋白の発現を生じせしめるY box-binding protein-1(YB-1)の発現を調べた。卵巣癌患者の原発巣について免疫組織学的手法を用いて検出されたYB-1は予後不良群で有意に高く発現していた(Cancer1999;85:2450-4)。また卵巣明細胞腺癌は他の組織型よりも予後が不良であった(Cancer2000;88:2584-2589)。これら卵巣癌において終末像を形成しやすい癌の選別のマーカーとなるべき各種因子を新たに報告した。また卵巣癌以外にも子宮体癌に関しては骨盤リンパ節転移を有するもの(Gynecol Oncol1999;72:387-391)や新生血管の多いもの(Cancer1997;80:741-747)は予後が悪いことが明らかとなった。子宮頸癌ではリンパ節転移が2カ所以上のもの(Acta Obstet Gynecol Scand1999;78:452-457)や癌胞巣の周囲にリング状に新生血管が配列するもの(Gynecol Oncol1999;74:369-374)などが予後が悪く、将来的にこれらの予後不良癌と癌終末期の病態の関連をさらに総合的に解析することが重要であると考えられる。
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