研究課題/領域番号 |
09671695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西田 純一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40264113)
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研究分担者 |
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10253527)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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キーワード | HPV E7 / bcl-2 / SMαアクチン / c-jun / Mvo D |
研究概要 |
1.HPVE7(E7)は細胞の形質転換過程において、SMαアクチンの発現を抑制する事により、アクチンストレスファーバーの形成を阻害する。そこで、E724Gly(Rb蛋白との結合能を欠損)、E791Gly(c-junとの結合能を欠損)の変異E7を作成し、SMαアクチン発現に及ぼす影響を検討した。E724Glyには野生型E7と同様にSMαアクチン発現抑制能が観察されたが、E791Glyは、この機能が消失していた。さらにSMαアクチン発現に関与する転写因子MyoDの発現はSMαアクチンの発現変化と同じ挙動を示した。従って、E7はc-junを介し、MyoD発現を抑制することによりSMαアクチン発現をもたらすと推測された。 2.E7により不死化したラット線維芽細胞(REF)はbcl-2発現の亢進が観察され、しかも種々の刺激によるアポトーシスの誘導に対して抵抗性であった。E7がbcl-2発現の亢進を導く機能を有するかを検討するため、REF、3Y1、Rat1a、NIH3T3細胞にE7を導入した。その結果E7による直接のbcl-2発現誘導は観察されなかった。一方E7にはアポトーシスを誘導する機能が報告されている。しかし、初代培養株であるREFにおいても、コントロールと同様の割合でE7発現クローンが得られたことよりREFにおいてはE7は直接的にはアポトーシスを誘導しないと推測された。従ってE7により不死化した細胞で観察された、bcl-2の過剰発現は細胞不死化の過程でもたらされた可能性が推測され現在解析を進めている。 3.E7により特異的制御を受ける遺伝子を検索する目的で、テトラサイクリンによりE7の発現調節が可能であるシステムを作成した。NIH3T3細胞にpTet offプラスミドを導入し、テトラサイクリンにより、発現調節を行い得るクローンを選択した。現在E7(pTRE E7)を導入し、クローンを選択中である。
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