研究課題/領域番号 |
09671699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
宮川 勇生 大分医科大学, 医学部, 教授 (70040607)
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研究分担者 |
濱中 良志 大分医科大学, 医学部, 助手 (60274750)
吉松 淳 大分医科大学, 医学部, 助手 (20221674)
楢原 久司 大分医科大学, 医学部, 講師 (60211447)
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キーワード | polo like kinase / 胎盤 / 絨毛 / 脱落膜 |
研究概要 |
全く未知の遺伝子としてわれわれが初めてクローニングしたPolo like kinase(PLK)[Hamanaka et al. Cell Growth&Differ. 5:249-257,1994.]はヒト胎盤cDNAライブラリーよりKinase特異的なprimerを使用してPCR(polymerase chain reaction)法によって拾い上げられてきた遺伝子で、ノーザン法では脳、肝、賢など主要臓器に全くメッセンジャーRNA(mRNA)の発現を認めず、胎盤のみで発現が認められた非常にユニークなKinaseである。 この胎盤特異的遺伝子として初めて報告されたPLKが、具体的に妊娠のどの時期の、どの細胞に、どの程度の発現が認められるのかを解析した。 免疫組織化学的検討により、ヒトでは妊娠初期の絨毛、脱落膜、子宮内膜腺に強くPLKの発現が認められ、妊娠中期では絨毛のみに弱い発現が認められ、妊娠末期ではPLKの発現は認められなかった。この事は、ノーザン法でもmRNAレベルで確認された。マウスでは、妊娠0〜3日目に全ての子宮内膜腺と子宮内膜間質に発現が認められたが、妊娠5日目以降は着床部のみの子宮内膜腺に発現は限られ、子宮内膜間質は脱落膜化すると発現しなくなった。脱落膜に侵入したtrophoblastには強い発現が認められた。全期間を通して、卵巣間質には強く、妊娠黄体には一部に発現が認められた。 今後、In situ hybridization(ISH)法やウエスタン法にて更に詳しいmRNAや蛋白の発現の解析を行う予定である。
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