研究概要 |
体脂肪分布と筋肉分布の関連性 肥満が脂肪組織の過剰な蓄積であると定義すれば,その蓄積量(肥満度)よりも蓄積部位(体脂肪分布)が高脂血症,糖尿病および高血圧症などの生活習慣病と関連して重要であることが示されつつある。体脂肪分布に影響を及ぼす因子は多岐にわたる。運動や筋肉量は体脂肪量に影響を及ぼすことが知られているが,筋肉分布と体脂肪分布との関連性についての研究は少ない。本研究の目的は筋肉分布と体脂肪分布との関連性を検討することである。481例の右利き,右足蹴りの有経,閉経婦人を対象とした。年齢,身長,閉経の有無などの背景因子を調査した。全身型DEXA(QDR 2000,Hologic)で身体各部位(左右上肢,〓幹,左右下肢)の筋肉量,脂肪量を測定した。〓幹/下肢脂肪量,〓幹/下肢筋肉量を算出し,体脂肪分布と筋肉分布と関連性を検討した。多変量解析で,〓幹/下肢脂肪量と年齢(標準回帰係数=0.43),体脂肪率(0.409),〓幹/下肢筋肉量(-0.146)は相関したが,閉経の有無や身長は相関しなかった。以上より,体脂肪分布は筋肉分布と逆相関の関係にあることが示唆された。
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