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1997 年度 実績報告書

子宮内ウィルス母児感染の防御機構としての胎盤絨毛細胞のアポトーシスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671702
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鹿児島大学

研究代表者

藤野 敏則  鹿児島大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90165407)

研究分担者 永田 行博  鹿児島大学, 医学部, 教授 (30038806)
キーワード胎内感染 / 胎盤 / バリア機構 / アポトーシス / HTLV-I
研究概要

HTLV-Iキャリア妊婦の胎盤では胎盤のバリア機構にアポトーシスが関与しているか否かをみるために以下のIn vitro実験を行った。
1.抗HTLV-I抗体陰性の正常妊婦から得た正期産の胎盤の絨毛組織を酵素処理し,その後Percoll連続比重遠心法により,胎盤絨毛細胞を得た。
2.MT-2細胞添加胎盤絨毛細胞と非添加胎盤絨毛細胞(コントロール)を同じ条件でdishに入れたcoverslipの上で培養した。
3.胎盤絨毛細胞のcoverslipへの付着の状態を連日観察し,連日一部のcoverslipを固定した。また,培養液中に浮遊した細胞を採取した。
4.coverslip付着細胞のHTLV-I感染,Fas抗原の発現の有無を免疫染色で調べた。また,アポトーシスの有無をTdT mediated UTP nick end labelling法(TUNEL法)で調べた。
次のような結果を得た。
1.MT-2細胞添加胎盤絨毛細胞では,非添加胎盤絨毛細胞(コントロール)に比べ,coverslip付着細胞の数が少なかった。
2.MT-2細胞添加例ではMT-2添加後5日目でHTLV-I感染胎盤絨毛細胞が認められ,添加後7日目でcoverslip付着細胞及び浮遊細胞にTUNEL陽性細胞がみられた。また,TUNEL陽性細胞が出現したのに伴い,付着細胞に占めるHTLV-I感染細胞の数は次第に低下した。さらに,Fas抗原陽性細胞も認められた。MT-2細胞非添加例では10日目になり始めてTUNEL陽性細胞がみられたが,Fas抗原陽性細胞は認められなかった。
以上のIn vitro実験により,胎盤絨毛細胞にHTLV-Iが感染しても,Fas抗原を介したアポトーシスがおおこり,感染の拡大がおさえられ,胎児への感染波及が防御されている可能性が示唆された。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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