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1998 年度 実績報告書

子宮頚癌の転移診断におけるHPV DNA,mRNA検出の意義に関する前方視的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671703
研究機関琉球大学

研究代表者

金澤 浩二  琉球大学, 医学部, 教授 (50092680)

研究分担者 伊波 忠  琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (70264504)
前濱 俊之  琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (50157153)
キーワード子宮頚癌 / 転移診断 / HPV DNA / 前方視的研究
研究概要

[目的]:子宮頚癌において、転移が疑われる組織のHPV DNAを前方視的に検索し、HPV DNAの存在と組織的転移との関連性、転移診断への有用性、について解析した。
[対象と方法]:頚癌1b-IVb期293例(手術137例、非手術157例)を対象とし、頚部原発巣擦過細胞、摘出腫大リンパ節割面擦過細胞、腫大リンパ節穿刺細胞、肝穿刺細胞、喀痰洗浄細胞、気管支鏡的採取組織細胞からDNAを抽出した。HPV L1 consensus primerを用いたPCRとSouthern BlotによりHPV DNAを検出し、また、型特異的primer(HPV 16,18,31,33,35,58)を用いた型判定を行った。
[成績]:(1)293例の原発巣におけるHPV DNA陽性率は、全体として85.3%であり、扁平上皮癌で89.9%,腺扁平上皮癌で93.8%,腺癌で51.4%であった。HPV 16型は扁平上皮癌に、HPV 18型は腺癌に多かった。型判定されないものが52.0%を占めた。(2)治療開始後、HPV陽性250例中113例から採られた489検体において、転移陽性55検体のすべてに、また、転移陰性434検体のうちの12検体にもHPV DNAが検出された。それぞれのHPV型は原発巣のそれに一致した。HPV陰性43例中29例から採られた154検体においては、転移の有無に係わらずHPV DNAは検出されなかった。(3)転移陰性にも係わらずHPV DNAが検出された検体は、それらをそれぞれの患者の臨床経過に照らして検討すると、いずれも検査の時点ですでに潜在的な転移があったと判断された。
[考察と結論]:HPV mRNAの検出は臨床の現場にルチーンに応用するには煩雑である。HPV DNAの検出は、組織的に検出できない程度の微小な転移を診断する上に有用である。組織的転移が陰性であるにもかかわらずHPV DNA陽性である場合に、これを潜在性転移陽性として治療することが臨床的に妥当であると判断された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 金澤浩二: "Selectivie down-regulation of human papillomavirus transcription by 2-deoxyglucose" Int J Cancer. 76. 639-646 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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