研究課題/領域番号 |
09671709
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
矢本 希夫 和歌山県立医科大学, 医学部・産科婦人科, 助教授 (80106541)
|
研究分担者 |
重根 俊彦 和歌山県立医科大学, 医学部・産科婦人科, 助手 (50244728)
南 佐和子 和歌山県立医科大学, 医学部・産科婦人科, 講師 (90219692)
|
キーワード | インヒビン / アクチビン / 卵巣腫瘍 / 腫瘍マーカー |
研究概要 |
性索・間質性卵巣腫瘍である顆粒膜細胞腫およびセルトリ・ライディク細胞腫におけるインヒビン/アクチビン・サブユニットの発現を検討した。顆粒膜細胞腫においては、αサブユニットの免疫染色は腫瘍細胞の一部に認められ、βA,βBサブユニットの染色もともに強く認められた。セルトリ・ライディク細胞腫においては、αサブユニットの染色が間質細胞の多くと一部のセルトリ細胞にみられた。βA、βBサブユニットはセルトリ細胞に強く認められたが、間質細胞にも認められた。ノーザンブロット解析において、顆粒膜細胞腫をセルトリ・ウィディック細胞腫ともに、αサブユニットmRNA(1.6kb)、βAサブユニット(6.0、4.0、2.8、1.7kb)、BBサブユニット(5.1kb、4.4kb)mRNAのシグナルが検出された。両腫瘍患者の術前インヒビンA、インヒビンBの血中レベルは正常女性に比較し、著明に上昇していたが、術後急速に低下した。一方、血中FSH濃度は術後上昇し、血中性ステロイド濃度は術前上昇したが、術後正常となった。さらに、上皮性卵巣腫瘍におけるインヒビン/アクチビン・サブユニットの免疫組織学的検討を行った。粘液性腺腫と境界悪性腫瘍ではα、βA、βBサブユニットともに染色されたが、粘液性腺癌では、αサブユニットは染色されず、βサブユニットのみ腫瘍細胞に局在した。漿液性腫瘍では良性、境界悪性、悪性ともにαサブユニットの染色は認められず、βA、βBサブユニットの染色を腫瘍細胞に認めた。
|