研究概要 |
1. β1-4GT高発現株の生物学的特性の解明に関する研究 (1) β1.4GT高発現体癌由来培養細胞株と親株における糖鎖発現の検討 作成された体癌由来培養細胞株のβ1-4GT高発現株と親株におけるI型糖鎖ならびにII型糖鎖の発現についてI型糖鎖ならびにII型糖鎖に対する抗体(I型糖鎖:Le^a,Le^b,Lc3Cer、II型糖鎖:Le^x,Le^y)を用いた薄層クロマトグラフィー免疫染色法を用いて解析した結果、β1-4GT高発現株はI型糖鎖であるLc3Cerの発現がmockに比べ低下し、逆にII型糖鎖であるLe^xの発現は亢進した。これらの成績より、β1-4GTmRNAの遺伝子導入により、糖鎖レベルでの発現に変化が起っていることが判明した。 (2) β1-4GT高発現体癌由来培養細胞株の細胞特性の検討 β1-4GT高発現体癌由来培養細胞株の細胞増殖能、接着能、浸潤能を測定し、mockと比較した。その結果、β1-4GT高発現株では、細胞倍加時間の短縮、細胞外基質への接着亢進、マトリゲルへの浸潤、亢進が見られた。一方、β1-4GTアンチセンスを導入したGT低発現株は逆にラミニンへの接着能が低下した。さらに、ヌードマウスを用いたin vivoの検討を行い、異種移植能を検討したところ、GT低発現株はmockに比べ異種移植能が低い傾向がみられた。 以上のことから、β1-4GTの発現が細胞増殖や細胞外基質への接着、浸潤能に関与することが明らかとなった。
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