研究概要 |
本研究は、黄体機能を血管構築の面からとらえ、ラット偽妊娠黄体形成過程での微小循環動態の変化を解析することを目的とした。 in situ digital microfluorographyを用いたPMSG-hCG過排卵誘起後の未熟ラット黄体の検討では以下の結果が得られた。 1.黄体毛細血管網密度の変化 hCG投与を0日とし投与前の血管密度を1とすると、投与24時間後は0.782、48時間後は1.683、7日後は2.051であった。 2.血管径の変化 (1)細動脈;hCG投与前の細動脈径を1とすると、投与24時間後は1.61、48時間後は1.11、7日後は1.25であった。 (2)毛細血管;hCG投与前の毛細血管径を1とすると、投与24時間後は1.17、48時間後は0.741、7日後は0.744であった。 (3)細静脈;hCG投与前の細動脈径を1とすると、投与24時間後は1.13、48時間後は0.641、7日後は0.627であった。 3.黄体毛細血管網構築の変化 hCG投与前から投与24時間後までは細動脈から細静脈へshunt血管が認められたが、48時間以降はshunt血管が観察されなかった。 これらから、黄体機能が活発化する排卵後48時間では血管径は細くなるが血管密度が増加し、血流量の増加すなわちLDL,酸素の需要の増加に対する生体の反応が示唆された。
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