研究課題/領域番号 |
09671715
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
太田 博明 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70090008)
|
研究分担者 |
春日 美智子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40276324)
高松 潔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30206875)
|
キーワード | エストロゲン / 局所因子 / 器官培養系 / 骨吸収活性 / 骨芽細胞 / PGE_2 / インターロイキン / mRNA |
研究概要 |
エストロゲンおよび局所因子がPGE_2産生および骨吸収に及ぼす作用とその機序の解析 エストロゲンと各種局所因子が骨吸収に及ぼす作用について、^<45>Caをプレラベルしたマウス胎児骨の器官培養系において、骨吸収活性を測定することにより検討した。 またその培養上清のPGE_2をEIA法より測定した。骨芽細胞におけるPGE_2産生の調節機序を明らかにする目的で、マウス新生児頭頂骨由来骨芽細胞を用い、PGE_2産生調節酵素(COX-1、COX-2、CPLA_2:cytosolic phospholipascA_2)のmRNA発現の調節から探索した。 その結果、マウス胎児骨の器官培養系においてIL-1はPGE_2産生を促進させ、骨吸収活性を亢進させた。またIL-1は骨芽細胞に作用し、COX-2 mRNAの発現亢進によりPGE_2産生を亢進させた。抗炎症性局所因子のIL-4およびIL-13は、COX-2 mRNAの発現亢進を用量依存的に抑制することにより、IL-1によるPGE_2産生作用および骨吸収を強く抑制した。 一方、エストロゲンの作用の解析では、OVXマウスの骨および骨髄においてPGE_2産生の増加と骨吸収の亢進が認められ、さらにIL-1やIL-6等の局所因子は相乗的にPGE_2の産生を促した。 以上からエストロゲンは骨髄微小環境を調節し、PGE_2産生と骨吸収を促進する局所因子と骨吸収を抑制する局所因子のバランスを調節することが判明した。
|