• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

妊娠中毒症発症における新しい血漿過酸化リン脂質還元酵素の役割について

研究課題

研究課題/領域番号 09671716
研究機関東海大学

研究代表者

岩崎 克彦  東海大学, 医学部, 助教授 (10119646)

研究分担者 吉村 眞一  東海大学, 医学部, 講師 (30230808)
キーワード過酸化脂質 / 過酸化脂質還元酵素 / Apolipoprotein B100 / Apolipoprotein A1 / 妊娠中毒症
研究概要

血漿過酸化脂質は血管内皮細胞を傷害することから、アテローム性動脈硬化症などの原因の一つと考えられている。妊娠中毒症にみられる高血圧、浮腫、蛋白尿などは血管内皮細胞の傷害が関与していると思われる。我々はヒト血漿には血漿グルタチオン・ペルオキシダーゼ(PGPx)以外にも過酸化脂質を代謝する新しい酵素が存在することを証明してきた。本研究では、(1)この酵素の酵素学的な性質を解明すること、(2)妊娠中毒症におけるこの酵素の臨床的役割を解明することを目的とした。
昨年度までの研究より、ヒト血漿過酸化脂質還元酵素がApolipoprotein B100、およびApolipoprotein A1にあることが判明した。本年度は、ApoA1の過酸化脂質還元の分子機構の解明をめざし、この活性を担うメチオニンを含むペプチド3種類を化学合成し、その活性を測定したところ全てのペプチドに活性があること、および過酸化脂質の還元に伴ったメチオニンスルフォキサイドの形成が確認され、過酸化脂質還元の分子機構が明らかになった。また、昨年度までに開発した血漿過酸化脂質還元活性の測定法を用いて妊娠中毒症の患者血漿を中心に測定したところ、正常妊娠者、妊娠中毒患者で全く差が認められなかったが、妊娠中毒症を発症しなかったHigh-risk群では明らかな活性上昇が認められた。血漿過酸化脂質還元の主役であるPGPxには変化が認められないことから、妊娠中毒症における血漿過酸化脂質量の上昇にこの活性が何らかの役割を果たしている物と考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ryuichi Mashima: "Reduction of lipid hydroperoxides by Apolipoprotein B-100"Biochem Biophys.Res.Commun.. 259. 185-189 (1999)

  • [文献書誌] 牧野英博: "硬膜外麻酔による無痛分娩:無痛ではなく「和痛」を目標に"LiSA. 298. 55-61 (1999)

  • [文献書誌] 勝沼潤子: "キニノーゲン・ドメイン3上のフォスファチジールエタノールアミン(PE)結合部の同定"日本産婦人科・新生児血液学会誌. 9(1). 84-85 (1999)

  • [文献書誌] 岩崎克彦: "多胎妊娠例の帝王切開"周産期医学. 29(7). 835-838 (1999)

  • [文献書誌] 岩崎克彦: "妊婦のかぜ症候群"周産期医学. 29(増刊号). 73-77 (1999)

  • [文献書誌] 林田研一: "血漿過酸化リン脂質還元活性と妊娠中毒症"産婦人科の世界. 51. 939-943 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi