研究課題/領域番号 |
09671718
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
正岡 直樹 日本大学, 医学部, 講師 (50199668)
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研究分担者 |
永石 匡司 日本大学, 医学部, 助手 (70297810)
高木 健次郎 日本大学, 医学部, 講師 (00216623)
三宅 良明 日本大学, 医学部, 助教授 (20183634)
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キーワード | 胎児 / 脳神経障害 / 興奮性アミノ酸 / フリーラジカル / NMDA受容体 / APP染色 / アロプリノール |
研究概要 |
1、前年度より継続検討してきた間歇的臍帯血流遮断時の胎仔脳透析液中アミノ酸濃度において、興奮抑制の機能を有するGABAが、血流遮断前465±85.05pmol/mlから2時間の間歇的臍帯血流遮断終了時230±58.15、回復期132±22.48と有意に低下しており、したがって細胞障害性の指標とされるexcitotoxic index(glutameate×glycine/GABA)は有意に上昇することが確認された。 2、双胎例で1仔に臍帯血流遮断を施行し、直後に非遮断仔とともに脳を摘出し検討した。HE染色では遮断仔脳において深部白質領域に明らかな虚血性病変が確認され、さらに軸索障害を表すとされる抗APP(amyloid precusor protein)抗体を用いた染色でも明らかな陽性神経細胞が広範に観察された。しかし興奮性アミノ酸の受容体であるNMDA受容体の検討では両仔間に差は認められなかった。 3、我々は間歇的臍帯血流遮断時においてhypoxanthine→xanthineの代謝亢進過程に由来する大量のoxygen free radicalが脳神経障害発生の一因となっていることを報告した。そこでxanthine oxidase阻害剤であるallopurinol(Allo)の胎内治療の可能性についての検討を開始した。3頭の妊娠羊胎仔慢性実験モデルを作製し、母獣にAlloを400mg/hの速度で2時間投与し、投与後30分、60分、90分、120分、180分に採血し、Alloおよびそのactive metaboliteであるoxipurinol濃度、血液ガスを測定した。また投与中の母獣血圧、胎仔血圧、心拍数、脳波を連続測定した。母獣Allo濃度は投与後30分で平衡に達し6.1±1.26μg/mlで推移した。胎仔血Allo濃度は投与後緩徐に上昇し、120分で2.15±0.54μg/mlに達した。oxipurinolは母仔ともに投与中に上昇し、特に胎仔ではAlloより高濃度となった。母獣、胎仔の血圧、心拍数、血液ガスには変化は認められなかった。
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