研究概要 |
本年度はウィスターラット胎仔における脳内CRF,CRFレセプター1型mRNA発現の発生学的な検討、およびそのリポポリサッカライド(LPS)に対する反応性に関するpreliminaryな検討を行った。CRFとCRFレセプター1型のmRNAの発現は妊娠16-21日齢の母獣より帝王切開で取り出した胎仔から得られた脳をグルタールアルデヒドで固定し、antisense RNAプローブを用いたin situ hybridization法を用いて検討した。LPS群では20日齢の母獣にLPSを腹腔内投与し(250μg/100gBW)、6時間後に前述の方法で胎仔を取り出し検討を行った。その結果、CRFは18日齢にはすでに室傍核に発現していることが確認された。また、CRFレセプターは妊娠12日齢より大脳皮質のほぼ全域にわたって発現していることが判明した。一方LPS投与群では今回用いた投与法では、CRF,CRFレセプター1型mRNA発現に対照群と比較して有意な変化は認められなかった。今後LPS投与法など、細かく検討していく予定である。
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