研究課題/領域番号 |
09671724
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
西田 敬 久留米大学, 医学部, 教授 (70140712)
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研究分担者 |
駒井 幹 久留米大学, 医学部, 助手 (40215380)
牛嶋 公生 久留米大学, 医学部, 助手 (20185002)
杉山 徹 久留米大学, 医学部, 助教授 (40162903)
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キーワード | ovarian cancer / MAGE-4 / experimental model / DMBA / mullerian form |
研究概要 |
1 卵巣癌における血中MAGE-4蛋白の測定とその臨床的意義の検討 MAGE遺伝子familyのうちMAGE-4遺伝子と関係が深いのがMAGE-4蛋白である。今回、卵巣癌患者の血中MAGE-4蛋白を測定し、予後との関連性など臨床的意義を検討した。卵巣癌患者62症例より得られた血清と対照の良性疾患43症例の血清をサンドイッチELISA法を用いて測定した。68人の健常人のMAGE-4蛋白濃度のmean±3SDである1.15ng/mlを正常値とした。累積生存率をKaPlan Mier法で算出し、MAGE-4蛋白濃度の違いによる生存率の差はlogrank法で検定した。卵巣癌症例の平均年齢は51.8歳であり、上皮性腫瘍が55、性索間質性腫瘍3、胚細胞性腫瘍が4例であり、進行期別にはI-II期が27、III一IV期が35例であった。なお、良性疾患の内訳は卵巣腫瘍14、子宮筋腫9、機能性出血5、卵巣機能不全3、付属器炎1、頚部異型成1例であり、平均年齢は47.7歳である。卵巣癌症例の血性MAGE-4蛋白の平均値は0.4911g/mlで、良性疾患の0.14ng/mlと比較してp<0.01で有意に高値を示した。また卵巣癌症例の陽性率は21%で、組織型では漿液性腺癌が26%と最も高かった。進行期別では、I-II期の0.36ng/mlに比較してIII-IV期では0.58ng/mlとより高値をとる傾向が見られた。陽性率も15%対26%で同様の傾向が認められた。また、生存率では20%vs70%で陽性群が有意に予後不良であった(p<0.05)。 2 ラット卵巣癌のヒト腫瘍モデルとしての評価とラ.ットp53発現の検討 7,12dimethylbenz[a]anthracene(DMBA)の直接付着により腫瘍化したラット卵巣の表層上皮もヒトの場合と同様にmu11erian formを模倣した。DMBA付着後20週目には高率にp53の発現が認められた。
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