研究課題/領域番号 |
09671734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
室伏 利久 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30242176)
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研究分担者 |
小崎 寛子 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
松崎 真樹 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80302701)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 前庭神経 / 前庭神経核 / 前庭誘発筋電位 / c-fos / 耳石器 / 球形嚢 / 前庭頚反射 / ラット |
研究概要 |
われわれは、比較的強大な音刺激の負荷に応答した前庭神経核ニューロンの局在を検討するため、c-fosを用いた免疫組織化学的研究を行った。また、これと平行して、ヒトにおける前庭誘発筋電位の臨床研究を行った。ABR閾値上90dBのクリック音刺激を40分負荷したラットにおいては、蝸牛神経核、上オリーブ、台形体、下丘などの聴覚伝導路にあたる諸核においてc-Fos蛋白陽性細胞が明瞭に多数認められた。一方、音刺激を加えられなかった対照群のラットでは、このような陽性細胞は認められなかった。また、音刺激を加えたラットにおいては、前庭神経核領域にいおいても明瞭なc-Fos蛋白陽性細胞が認められた。前庭神経核内における局在についての検討においては、lateral nucleus、spinal nucleus、medial nucleus、には陽性細胞を認めたが、superior nucleusにおいては、明らかなc-fos陽性細胞を認めなかった。対照群のラットにおいては、前庭神経核領域内において明らかな陽性細胞を認めなかった。これらの結果は、クリック音刺激に反応する前庭神経ニューロンが耳石器系ニューロンなかでも球形嚢由来のニューロンであるとするこれまでの神経生理学的研究と矛盾しないものであった。上記の結果は臨床研究によっても支持され、また、前庭誘発筋電位(VEMP)の臨床における前庭機能検査としての意義が確認された。
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