研究課題/領域番号 |
09671736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
谷口 郁雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60014255)
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研究分担者 |
細川 浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
堀川 順生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50114781)
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キーワード | 聴覚皮質 / 光学的計測 / 可塑性 / 蝸牛刺激 / 人工内耳 / 難聴 |
研究概要 |
難聴によって聴覚中枢に形態的あるいは機能的変化が起こることは、基礎的な研究で明らかにされている。一方、臨床的な研究では、このような変化が起こっているはずの人工内耳患者において、人工内耳の装用を続けるうちに、語音聴取能が徐々に向上することが一般に認められている。この臨床的な機能回復の事実は、聴覚系の可塑的回復が皮質聴覚領の神経レベルでも起こり得ることを示唆している。われわれは、12x12チャンネルのフォトダイオード・アレイと膜電位感受性色素を用いた光学的計測法により、モルモットの聴覚領の周波数局在をリアルタイムで可視画像化することに成功した。この方法を用いて、蝸牛を電気刺激した場合の聴覚領の神経活動の時空間パターンと、自然な音刺激の場合の神経活動の時空間パターンとを比較した。その結果、蝸牛の刺激場所に依存した神経活動が聴覚皮質に現れることがわかった。これは、周波数依存性の聴覚皮質活動が蝸牛電気刺激でも認められることを示す。しかし、自然な音刺激と蝸牛電気刺激で、活動の潜時、ダイナミクスレンジ、閾値が異なることがわかった。カナマイシンで難聴を引き起こしたモルモットにおいて、蝸牛刺激を行ったときに聴覚皮質でどのような活動が出るかを光学的に計測した結果、難聴動物においても蝸牛電気刺激で周波数依存性の聴覚皮質活動が見られることが確かめられた。現在テレメトリー装置を導入して、慢性的に蝸牛を刺激し、長期間による蝸牛刺激により聴覚皮質活動にどのような変化が現れるかを調べている。
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