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1998 年度 実績報告書

光学的計測法による難聴動物聴覚皮質の可塑性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09671736
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

谷口 郁雄  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60014255)

研究分担者 細川 浩  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
堀川 順生  豊橋技術科学大学, 知識情報工学, 教授 (50114781)
キーワード聴覚皮質 / 光学的計測 / 可塑性 / 蝸牛刺激 / 人工内耳 / 難聴
研究概要

難聴によって聴覚中枢に形態的あるいは機能的変化が起こることはよく知られている。一方、人工内耳患者において人工内耳の装用を続けるうちに、語音聴取能が徐々に向上することが一般に認められている。この臨床的な機能回復の事実は、聴覚系の可塑的回復が皮質聴覚領の神経レベルで起こっていることを示唆している。われわれは、12xl2チャンネルのフォトダイオード・アレイと膜電位感受性色素を用いた光学的計測法により、モルモットの聴覚領の周波数局在を画像化することに成功した。この方法を用いて、まず正常動物において、蝸牛を電気刺激した場合の聴覚領の神経活動の時空間パターンと、自然な音刺激の場合の神経活動の時空間パターンとを比較した。その結果、蝸牛の刺激場所に依存した神経活動が聴覚皮質に現れること、すなわち、周波数依存性の聴覚皮質活動が蝸牛電気刺激でも認められることが明らかになった。しかし、自熱な音刺激と蝸牛電気刺激では、活動の潜時、ダイナミックレンジ、閾値が異なる。カナマイシンで難聴を引き起こしたモルモットでは、蝸牛電気刺激で周波数依存性の聴覚皮質活動が見られることが確かめられたが、難聴になって3カ月後では、皮質の周波数局在構造が不明瞭になっているものが認められた。この不明瞭な周波数局在構造は、主として両耳が難聴である動物で見られた。片耳のみが難聴の場合は、正常耳の対側の皮質の構造はほとんど変化が認められなかったが、正常耳と同側の皮質では興奮活動の振幅の増大および周波数局在が認められた。これらの結果は、難聴後はかなりの程度、皮質の周波数局在構造が保たれているが、3カ月後には皮質で可塑的変化が起き始めていることを示唆する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Taniguchi, I. et al.: "Optical imaging of cortical activity induced by intracochlear electrical stimulation." J. Biomed. Res.18, Suppl. 1. 115-124 (1997)

  • [文献書誌] Taniguchi, I. et al.: "Optical imaging of neural activity in auditory cortex by intracochlear electrical stimulation." Acta Otolarhyngol.Suppl 532. 83-88 (1997)

  • [文献書誌] Hosokawa, Y. et al.: "Real-time imaging of neural activity during binaural interactions in the guinea pig auditory cortex." J. Comp. Physiol. A. 181. 607-614 (1997)

  • [文献書誌] 堀川順生 他: "光学測定によるモルモット聴覚野の音刺激依存活動" 生物物理. 215. 14-17 (1998)

  • [文献書誌] Hosokawa, Y. et al.: "Anisotropic neural interaction in the primary auditory cortex of guinea pigs with sound stimulation." NeuroRep.9. 3421-3425 (1998)

  • [文献書誌] 細川 浩 他: "聾モルモット聴覚皮質の周波数局在" J. J. Physiol.(発表予定). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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