研究課題/領域番号 |
09671739
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
上條 篤 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90252022)
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研究分担者 |
寺川 進 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50014246)
松崎 全成 山梨医科大学, 医学部, 講師 (90283217)
岡本 美孝 山梨医科大学, 医学部, 教授 (40169157)
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キーワード | 一酸化窒素 / 鼻粘膜上皮杯細胞 / 鼻汁分泌 |
研究概要 |
NOは広範な生理活性をもつガス状ラジカルであり、様々な分野で注目を集めており気道においても気管支拡張作用や血管平滑筋弛緩作用が明らかになっている。しかし、NOの気道外分泌腺に及ぼす影響や作用についての検討は十分なされているとはいえない。そこで今回主にラット鼻粘膜上皮をもちいて、NOの杯細胞分泌に対する役割を検討し、現在までに以下の結果を得ている。 NO発生剤であるNOC5、NOC7、NOC12は60μMの濃度でラット鼻粘膜杯細胞からの開口分泌反応を亢進した。そこで、このNOC5の杯細胞分泌亢進作用が容量依存性か否かを6、60、600μMの濃度で検討した。しかし、60μMでは分泌亢進反応を認めたものの、6μM、600μMのNOC5は杯細胞分泌に影響を与えなかったことからNOは極めて狭い有効濃度を持つ可能性が示唆された。一方細胞膜透過性のcGMPである8-bromo-cGMPも有意に杯細胞分泌を亢進することから、このNO分泌亢進反応が血管平滑筋弛緩作用などと同様に、アデニル酸シクラーゼの活性化によるcGMP生成を介した反応であろうと考えられた。 我々は以前サブスタンスP(SP)もラット杯細胞分泌を亢進することを報告しているが、この亢進反応に内因性のNOが関与しているかについても検討を加えたが、SPの反応に内因性NOは関与していないという結果を得た。 以上NOラット杯細胞分泌に深く関与していることが明らかとなり、現在ヒトにおいて肥厚性鼻炎、慢性副鼻腟炎、アレルギー性鼻炎の各種患者から得られた下鼻甲介粘膜において、N0に対する反応性に差があるか等につき検討中である。
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