研究概要 |
1.辺縁細胞のNa-K-Cl共輸送体活性(Hearing Research 113:99-109,1997)。単離辺縁細胞の等張条件下での体積変化をイオン輸送の指標として、Na-K-Cl共輸送体によるイオンの取り込みを証明した。 2.辺縁細胞の膜電位のClコンダクタンス依存性(Hearing Research 113:99-109,1997)。細胞内徴小電極をもちいて単離辺縁細胞の細胞内電位を測定し、膜電位が基底側膜のClコンダクタンスに大きく依存していることがわかった。 3.辺縁細胞の体積の細胞外Clイオン依存性(Hearing Research 113:99-109,1997)。等張条件下で細胞外のClイオン濃度を下げると辺縁細胞の体積が急激に減少する。この体積変化は、基底側膜のClチャネルに依存していることがわかった。 4.辺縁細胞の自家蛍光の性質(Hearing Research 114:69-74,1997)。単離辺縁細胞をつかって、辺縁細胞に紫外光をあてると強い自家蛍光を発すること、この自家蛍光が、細胞内のNADHによることを報告した。 5.辺縁細胞のグルコース輸送体(Hearing Research 114:69-74,1997)。上記の自家蛍光は細胞外のグルコース濃度に依存し、サイトカラシンBで抑制されるが、フロリジンでは影響をうけないことから、辺縁細胞のグルコース輸送体がグルコース単輸送体(GLUT)であり、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)ではないことがわかった。
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