研究概要 |
1.内耳血管条内の毛細血管網を架橋する細胞(Cell and Tissue Research 296:673-676,1999)。免疫組織化学的方法と透過電子顕微鏡法をつかって、ラットとスナネズミの血管条においてこれまで全く存在が知られていなかった細胞を発見した。基底層に包まれていることなどの形態的特徴から、血管周皮細胞との発生的関連と毛細血管網形態の維持に関する役割が考えられる。 2.内耳血管条中間細胞の電位依存性K^+チャネル電流(American Journal of Physiology 277:C91-C99,1999)。スナネズミ単離中間細胞をパッチクランプ・ホウルセル法で調ベ、電位依存性K^+チャネルの存在を証明した。このチャネルはこれまでに報告した内向き整流性K^+チャネルとともに中間細胞の膜電位と内リンパ直流電位の形成に重要な役割をはたしていると考えられる。 3.内耳血管条中間細胞に局在する内向き整流性K^+チャネル(Kir4.1)。(American Journal of Physiology 277:C91-C99,1999)。Kir4.1に対する特異抗体を作製し、免疫組織化学的方法をつかってラットとスナネズミの血管条を調べた。Kir4.1のチャネルタンパクは血管条内では中間細胞に局在していることを証明した。これまでに報告した中間細胞の内向き整流性K^+電流はこのチャネルに由来するものと考えられる。
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