研究分担者 |
恒冨 今日子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80304898)
杉本 俊彦 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70304912)
高木 誠治 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (60284634)
大谷 信二 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80274596)
津田 邦良 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (40207387)
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研究概要 |
吸入麻酔ネコにおいて前頸部を縦切開し,一側の上喉頭神経に刺激電極を装着し,脳定位固定装置上で延髄を露出してガラス微小電極を刺入し,孤束核間質亜核内のニューロン活動と小細胞性網様体内のニューロン活動を同時に別々に細胞外記録し,ネコ咽頭内に注水し,嚥下に同期して一過性の甲状舌骨筋の筋電図活動変化を示す嚥下関連ニューロンを同定した.この状態で小細胞性網様体内の同部位をタングステン微小電極にて電気刺激し,孤束核間質亜核細胞でその逆行性応答の記録を試みた.また逆に孤束核間質亜核内の同部位を微小電気刺激して,小細胞性網様体細胞で順行性応答の記録を試みた. このように孤束核嚥下関連ニューロンから小細胞性網様体嚥下関連ニューロンへの投射についてelectrophysiological mappingを行う予定であったが,逆行性応答も順行性応答も認められなかった.この原因としては除脳していないための体動が考えられたため,除脳系に移行して実験を継続中である. さらに現在,対側延髄の電気刺激に対する延髄嚥下関連ニューロンの逆行性応答を細胞外記録法にて記録同定し,対側延髄への投射経路の詳細を検討している.具体的には,延髄小細胞性網様体にて同定された嚥下関連ニューロンにおいて,対側延髄の疑核(嚥下関連運動核)領域からの逆行性応答を記録している.そして,逆行性刺激に応答したニューロンの存在部位と,刺激部位との位量関係には,これまでのデータからは明らかな相関はみられない.この結果は,我々の対側嚥下関連ニューロンへの延髄内投射は広範囲にもたらされるという報告を裏付けるものであった.
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