研究概要 |
微小透析法を内耳液の分析に応用、測定系に酸素蛍光分析法を採用して鼓室階外リンパ液中のグルタミン酸濃度を従来法に比べきわめて生理的にしかも良好な時間分解能で解析することが可能になった。この実験系を用いて(1)高カリウム液潅流時にグルタミン酸は2相性に放出され、しかも最初の成分のみがカルシウム依存性を示すことを示した(松田圭二.他.微小透析法を用いたモルモット外リンパグルタミン酸測定.頭頚部自律神経12,1-4,1998.Matsuda,K.et al.High potassium-induced glutamate release in the cochlea:In vivo microdialysis study combined with on-line enzyme fluorometric detection of glutamate.Brain Res.(in press).)。(2)また、AICA決紮による蝸牛虚血時に反応性のグルタミン酸濃度上昇を認めた(成果投稿準備中)。 グルタミン酸処理機構の病態への関与を検討するため、グルタミン酸トランスポーターのうちGLASTのmRNAをNorthern法で定量する実験を行った。カナマイシンによる有毛細胞傷害の過程でGLASTmRNA発現量が増加することを証明した(成果投稿中)。
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