研究課題/領域番号 |
09671760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
内野 善生 東京医科大学, 医学部, 教授 (00086555)
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研究分担者 |
今川 美登里 東京医科大学, 医学部, 助手 (50074646)
佐藤 斎 東京医科大学, 医学部, 講師 (80154087)
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キーワード | 前庭神経 / 平衡感覚 / 平衡斑 / 耳石器 / 微小重力 / 姿勢制御 / 球形嚢 / 有毛細胞 |
研究概要 |
重力加速度を含む直線加速度及び頭頚部の傾きなどを検出し、生体の姿勢制御に欠かせない耳石器は球形嚢斑と卵形嚢斑に分かれる。前者の平衡斑にある有毛細胞は、主に垂直直線加速度を、後者の有毛細胞は主に水平直線加速度を検出する。有毛細胞の形態的極性は平衡斑の中央にある分水嶺(Striola)により境され逆方向となり、応答する加速度方向が逆となる。球形嚢斑においてはStriolaより上部の有毛細胞の毛束が下方へ変位するような垂直直線加速度が加わった時に有毛細胞は脱分極し、下部の有毛細胞は過分極する。もし上部の行く毛細胞に結合する一次求心性線維が前庭神経核ニューロンに単シナプス性興奮性結合し、下部の育毛細胞に結合する一次求心性線維が抑制性介在ニューロンを介して同一前庭神経核ニューロンに2シナプス性に抑制性結合するとすれば直線加速度が加わったとき、“興奮"と“脱抑制"が単一前庭神経核ニューロンに発生し重力感受性が増強することになる。我々はこの神経機構の存在を明らかに"Cross-Striolar Inhibition"と命名した(J.Neurophysiol,1997)。我々は現在この直線加速度感受性が増強である"Cross-Striolar Inhibition"が卵形嚢にも存在するかどうかをネコを用いた急性標本で調べている。
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