研究概要 |
直線加速度及び頭頚部の傾きなどを検出し、生体の姿勢制御に欠かせない耳石器は球形嚢と卵形嚢に分かれ。前者の平衡斑にある有毛細胞は、主に垂直直線加速度を、後者の有毛細胞は水平直線加速度及び頭の傾きを検出し、主に外眼筋及び頚筋運動ニューロンの興奮性を制御している。科学研究費助成2年間は、ここ数年行ってきた実験結果の纏めの年にあった。以下に明らかにした実験事実を(1〜11)に概説する。卵嚢斑系前庭動眼反射弓の神経機構の全貌を明らかにした(1)。耳石系前庭頚反射弓の概要を明らかにした(2)。我々は球形嚢斑系1次ニューロンと2次ニューロンの間に直線加速度増強メカニズムである脱抑制機構が存在することを発見し、Cross-Striolar Inhibitionと命名した(3)。文献(1,2)の内容をDr.Grafとともに総説にまとめた(4)。中心頚核ニューロンの軸策側枝が前庭核ニュ一ロンの重要な興奮性入力であることを明らかにした(5)。球形嚢入力を受ける前庭脊髄ニューロンの軸策投射様式を明らかにした(6)。球形嚢神経から頚部伸及び屈筋運動ニューロンへのシナプス結合様式を明らかにした(7)。球形嚢神経単一ニューロンの軸策投射様
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