研究課題
基盤研究(C)
1)癒着性中耳炎の術前、術後の耳管機能の検討として耳管音響法、inflation-defrationによる換気能およびサッカリンによる排泄能を行った結果、耳管音響法は75%の症例で良好であったが、サッカリンテストいわゆる排泄能は80%の例で不良であっった。2)癒着性中耳炎の術後耳の中耳圧と中耳腔のガス換気能(O_2、CO_2)について経時的に観察し、中耳粘膜の生理的な機能について検討した結果、中耳圧の上昇も悪く、ガス換気能の障害される例が多くみられた。3)動物モデルより中耳粘膜の障害や鼓膜癒着の過程についての研究において、若年ウサギの中耳腔の粘膜を障害することにより鼓膜の癒着がある頻度でみられた。今後はこのモデルを使い中耳圧の変化やガス換気能の状態と鼓膜癒着の過程について研究する。4)手術所見より癒着性中耳炎から真珠腫への移行例すなわち前真珠腫の臨床所見や手術所見の分析、および組織学的所見よりその病態を解明している。5)免疫組織学的研究(PCNAやIL-1など)や分子生物学的観察(In situ hybridisation法を用いKGF:keratinocyte growth factor、KGF-receptor、TGFなどのm-RNAの局在を調べる)を比較検討している。さらにkeratinocyteや繊維芽細胞を培養し、各種の刺激因子とくにIL-1αやKGFを作用させ、Cdk-2やCdk-4などの細胞周期関係物質の産生を確認している。
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