研究課題/領域番号 |
09671761
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
森山 寛 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 講師 (60125036)
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研究分担者 |
辻 富彦 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助手 (30236880)
志和 成紀 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助手 (20235766)
三谷 幸恵 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助手 (30233894)
小島 博己 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助手 (60234762)
山口 龍二 東京慈恵会医科大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 講師 (50182449)
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キーワード | 癒着性中耳炎 / ガス換気能 / 中耳真珠腫 / 上皮の分化と増殖 |
研究概要 |
真珠腫は“過増殖な性質"と“最終分化"の2つの特徴的な事項がある。そこで上皮細胞の分化のシグナル伝達のメカニズムをつかさどるprotein Kinase C(PKC)について検討した。真珠腫上皮において、PKCη、δは基底細胞層と傍基底細胞層の一部、有棘層、顆粒層に出現しており、全体としてシグナルの出現の分布に散らばりが認められた。この結果より真珠腫の分化の過程は通常の皮膚と同様であることが理解された。 さらに培養Keratinocyteに上皮下炎症細胞、線維芽細胞が産生するIL-α、Keratinocyte growth factorrecombinantを付加したところ細胞周期関連遺伝子産物であるcdk-2,4、cyclin-D蛋白の発現が亢進されるという結果を得た。これらの結果は上皮下炎症細胞が産生するサイトカインが上皮増殖に影響を与えていることを意味し、上皮下に活動性の病変がある場合には、上皮の増殖がさらに活発になり真珠腫への進展が起こる可能性を示唆している。 また免疫組織学的に、cdk-2、cdk-4では真珠腫上皮および正常外耳道皮膚とも有棘層を中心とした発現を認め、両者の間に有意な差は認められなかった.一方、扁平上皮癌ではcdk-2、cdk-4の発現の亢進が認められた。真珠腫上皮は過増殖な性格を有するものの細胞周期という点からは、比較的外耳道皮膚に近いものではないかと推測された。真珠腫における上皮増殖は上皮下の炎症が強く関与し様々な増殖因子の誘導やサイトカインネットワークの影響を受けるためでありアポートーシスを起こすことによって増殖とのバランスをとっているものと考えられる。
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